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【国際交流】四川省の高校生と交流しました

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2025年10月24日(金)、25日(土)四川省から高校生10名と引率者をお招きし、交流プログラムを行いました。
広島県と四川省は長年友好都市関係を結んでおり、本校からもこれまでに多くの生徒が県の国際交流事業などで四川省を訪問しています。そうした歴史の延長線上にある今回の交流は、武田生徒にとっても大変意義深い時間となりました。
一行は昼前に来校し、まずGlobal Studies(GS)コースの1年生と、中国語が堪能なGS3年生2名との交流を行いました。この日最初のアクティビティは「スピード・デーティング形式」の会話交流です。2分ごとにパートナーが入れ替わり、さらに使用言語も「英語のみ」「中国語のみ」「日本語のみ」と制限されるルール付きで、母国語以外の言語に戸惑いながらも、生徒たちは身振り手振りや覚えた単語を駆使し、お互いに伝えようと真剣に向き合っていました。時には「サイレント」で非言語の回もありました。緊張した空気の中にも笑顔が絶えず、言葉を超えた心の交流が生まれました。

その後、日本の高校生活を体験してもらうため、学食で昼食を取りました。四川の生徒たちは、うどんやカレー、唐揚げ丼など、好きなメニューをそれぞれ選び挑戦していました。ここで、今回ホームステイを受け入れてくれた武田生との初対面が行われました。一緒に食事をしながら名前や趣味を紹介し合い、翌日から共に過ごす時間への期待で会話が弾んでいました。

午後からは、GSコースの1・2年生およびホスト生徒も加わり、四川外国語高校の生徒によるプレゼンテーションを鑑賞しました。学校生活、四川省の魅力、四川料理の特徴など、多彩なテーマで堂々と発表してくれました。本校の生徒たちも熱心に聞き入り、質疑応答の時間には積極的に質問を投げかける姿が見られました。また四川省サイドがジブリ映画「猫の恩返し」の主題歌「風になる」を日本語と中国語の両方で披露してくれました。そして2回目は四川の高校生と武田生全員で合唱しました。武田サイドは事前に練習してきたので、中国語と日本語で合唱できたことは感動的でした。

続いて、茶道体験を行いました。まず英語による茶道の作法や精神についての説明を受け、生徒たちは真剣な表情で耳を傾けていました。続いて、自分自身の手で茶筅を使い、お抹茶を点てる実習へ。それぞれが慎重に泡立てた抹茶とともに、西条の名産である「酒まんじゅう」をいただきました。「少し苦いけれど、甘いお菓子と一緒だととてもおいしいです」といった感想も聞かれ、日本独自の“苦味と甘味の調和”に新鮮な驚きを感じた様子でした。

茶道の後は、それぞれのバディ生徒と共に教室へ移動し、ショートホームルーム(SHR)や掃除の時間を体験しました。中国の学校には掃除の時間がないことも多く、ほうきや雑巾を手に黙々と校舎を掃除する武田生の姿に、四川の生徒たちは驚きながらも一生懸命取り組んでいました。
その後は、各クラブ活動の体験へ。四川の生徒たちは、剣道部・柔道部・美術部・インターアクト部・陸上部・バドミントン部などに分かれて参加しました。竹刀を構えて気合を入れる剣道、畳の上で礼儀を重んじる柔道、絵筆を取り作品作りを楽しむ美術部など、どのクラブでも武田生が丁寧に指導し、共に汗を流す姿がとても印象的でした。

2日目の研修では、四川外国語高校の生徒と本校生徒がともに広島平和記念公園を訪れました。雨の降るあいにくの天気でしたが、その静けさはむしろ平和への思いを深めるきっかけとなりました。
園内では、原爆慰霊碑、原爆の子の像などの記念碑を巡り、それぞれが建てられた背景や込められた思いについて説明を受けました。生徒たちは真剣な表情で耳を傾け、ただ「見る」のではなく、「なぜそこにあるのか」「何を伝えようとしているのか」を考えながら歩いている姿が印象的でした。続いて訪れた広島平和記念資料館では、被爆直後の写真や遺品、証言映像など、目を背けたくなるような厳しい資料と向き合いました。四川の生徒たちも、本校生徒も、言葉少なにじっと展示を見つめ、メモを取ったり、感想を小声で語り合ったりしながら、平和の尊さと戦争の悲惨さについて深く学んでいました。

平和学習の後は、本通り周辺での自由行動となりました。四川の生徒たちは、武田生のサポートのもと、お土産を購入したり、日本のアニメグッズを探したりと、それぞれが思い思いの時間を楽しみました。緊張がほぐれた様子で笑顔があふれ、買い物をしながら互いの文化や趣味について語り合う姿も見られました。

2日間の交流はあっという間に過ぎ、解散の時間を迎えました。短い期間ではありましたが、別れ際には涙を流し抱き合う生徒の姿も見られ、どれほど濃密な時間を過ごし、深い友情を築くことができたかを物語っていました。今回の出会いが一度きりのものではなく、これからも続く長い友情の始まりとなることを願っています。

武田中学校・高等学校は、草の根レベルで育まれる友情と相互理解こそが、平和な未来をつくる力になると信じています。今回の交流にご協力いただいたホストファミリーをはじめ、保護者の皆様の理解と支援に心より感謝申し上げます。私たちは今後も、武田だからこそ実現できる国際交流活動を大切にしながら、世界とつながり、平和を学び、共に未来を築いていく教育を進めてまいります。

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