１２月１８日（火）本日，呉市文化ホールにて呉武田学園創立200周年の記念行事が行われました。呉港高校と武田中高併せて１４００名近い生徒が一堂に会する式典行事は初めてでした。ご自身の学校教育への思いと200年という歳月の持つ意味について話された武田理事長に続いて上映された学園史の特別映像では，1818年に山口県の稽古屋敷として産声をあげた本学園が，呉に移り様々な変遷を経て現在の2つの学校という形になったという記録を当時の貴重な映像とともに観ることができました。

引き続き行われた特別記念講演では，広島・呉を舞台にした大ヒット映画「この世界の片隅に」の片渕須直監督にご講演をいただきました。片渕監督は，映画制作の際に蒐集した膨大な歴史資料や，実際の作品に使用された貴重な作業データが保存されたノートパソコンを自在に操り，画面を巧みに切り替えながら中高生にもわかりやすく説明してくださいました。呉駅周辺を描くために資料を調べていくうちに当時呉港中学校が甲子園で優勝した際の写真に行き当たった話，当時長ノ木にあった呉港中学校の近くにあったスピーカーから主人公のすずさんが空襲警報を聞いていたのではないかという話，校舎の迷彩塗装の写真がないため小学校の塗装の写真を参考にした話など，沢山の呉武田学園に関連のある貴重なエピソードを伺うことができました。生徒たちも「70年以上前の知らない戦争の話」ではなく，現在の「この世界」に地続きに繋がる自分たちの物語である事を意識できたのではないかと思います。

そして，監督から生徒たちへ「どんなことでも自分の興味を持ったことをとことん調べていくことで，少し高い視点で物事を見ることができるようになる」というメッセージをいただきました。「知的好奇心が自らの成長を促す」ということを深く胸に刻み，これからの学園生活を送ってほしいと思います。

片渕監督，大変お忙しいところ誠にありがとうございました。