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【クラブ】インターアクト部 第8回異文化理解理解フォーラムを開催

投稿日:2025年2月23日 更新日:

2025年2月22日、広島市中区の広島国際センターにて、第8回異文化理解フォーラム “Let’s Talk About Gaza” を開催しました。本フォーラムには、誠英高校(山口県)、英数学館中学校、修道高校、広島大学附属高校、庄原格致高校、広島修道大学ひろしま協創高校、AICJ高校から、平和貢献や国際問題に関心の高い高校生が県内外から集まりました。

今回のフォーラムでは、広島市立大学国際学部の田浪亜央江准教授(長年にわたりパレスチナ問題に関わる研究をされている)と、シカゴ出身で現在広島市立大学にて「芸術と平和」を研究しながら、ガザに対する弾圧や戦争への抗議活動を行っているレベッカ・ゴールドシュミット先生をゲストスピーカーとしてお招きし、ご講演をいただきました。

フォーラムの冒頭では、武田中学校高等学校インターアクト部が事前に制作した作品を発表しました。

①赤色のインクで描かれた一万個以上の涙の点

・これは、現在の紛争で命を落とした子どもたちの数を表現したものです。

②アル・アウダ病院のホワイトボードに残されたメッセージ

・2023年11月、ガザ北部のアル・アウダ病院で攻撃を受け、亡くなったアブ・ヌジャイラ医師が残した言葉です。

「最後まで生き残った人が、何があったかを伝えてください。私たちは自分にできることをした」

「私たちを忘れないで」

・彼はイスラエル軍の攻撃が迫る中、負傷した子どもたちを見捨てることなく病院に留まり、命を落としました。

・その直前に病院のホワイトボードに書き残したメッセージを、破壊前後の比較ができる形で再現しました。

③戦争のない未来を願うジオラマ

・戦車の模型に植物が生い茂り、子どもたちが遊び回る情景を表現しました。

・武器が使われることのない世界の実現を願うメッセージを込めています。

◯基調講演

田浪先生の講演では、先生がパレスチナとともに歩んできた軌跡を振り返りながら、パレスチナの歴史、社会の形成過程、ヨルダン川西岸地区の問題など、多岐にわたるお話をしていただきました。
厳しい現状の中でも、パレスチナの人々の明るさや力強さ、そしてその深い芸術性について語られた点が特に印象的でした。

レベッカ先生は、80年前の原爆投下直後の広島と現在のガザ地区の写真を並べ、私たちが歴史から学ぶべきことを提示されました。
さらに、ガザで使用されている爆弾の規模が広島原爆の7〜8倍に相当するという話には、改めて戦争の恐ろしさを感じさせられました。また、ご自身の祖母のエピソードも紹介されました。祖母はドイツからイギリス領パレスチナへ移住し、その後アメリカへ渡った方で、当時イギリス、ドイツ、イスラエル、アメリカのパスポートを所持していたそうです。
そして、必ずしも「ユダヤ教徒=シオニスト」ではない、という視点についてもお話しされました。

◯質疑応答

質疑応答では、多くの高校生が積極的に質問し、お二人の先生方が一つ一つ丁寧に回答してくださいました。
中でも、「人道支援を国家レベルで行うことが、かえって侵略を正当化する可能性がある」という指摘には、多くの参加者が深く考えさせられました。

今回のフォーラムを通じて、歴史を正しく学ぶことの大切さ、そして世界で起きている人権侵害を「自分ごと」として捉える意識の重要性を再認識しました。
また、高校生たちが真剣に平和について考え、行動しようとする姿がとても頼もしく感じられました。

武田中学校高等学校インターアクト部は、今後も外部のカウンターパートと協力しながら、広島県内外の若者とともに世界平和の実現を目指し、活動を展開していきます。

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