10月25日(火) 3日目は「武田高校×OKINAWA SDGs Action」と題して、株式会社noteの研修プログラムを受ける1日です。「平和学習」、「基地問題」、「海の環境」、「歴史文化」の4つのコースに分かれ、その中でさらに小グループを組み、地元の大学生をリーダーに迎えてそれぞれのプログラムを受けました。
「平和学習コース」は、那覇市内の對馬丸記念館に行き、1944年8月22日に発生した集団疎開船沈没事件について学習しました。アメリカ軍の潜水艦ボーフィン号からの4発の魚雷攻撃により沈没し、800人近くの学童が死亡した事件について、当時4歳で事件に遭遇し母と姉を亡くされた照屋さんからの証言を聞きました。事件について知らなかった生徒は衝撃を受け、決して戦争をしてはいけないと強く感じたようです。 午後は豊見城市にある旧海軍司令部豪に行きました。海軍として組織的な戦闘の終焉の地として激戦の記憶が刻まれた歴史的な場所でした。8000人が手仕事で5ヶ月かけて掘られた豪は、今も全く崩れることもなく残っています。細く長い通路の先に司令部や救護所、兵士の部屋などがありました。狭い空間に4000人が隠れ、立ったまま寝たり隙間で座って寝たりしていたそうです。ほとんどの人が竹槍を持って戦わされ、海軍陸戦隊10000人が10日ほどで全滅するなど悲惨な歴史を知りました。現地の大学生と一緒に見学し、新たな視点で見たり考えたりでき、とても有意義な時間でした。
「基地問題コース」は、嘉数高台公園をスタートに基地問題について考えていく活動を行いました。嘉数高台公園の展望台からは嘉手納基地がよく見え、滑走路のすぐ手前には民家が立ち並びとても危険な立地に生徒たちは驚いた様子でした。また、「トーチカ」で、自分達よりも年下の年齢の子供達が戦闘に加わった話を聞き、戦争の悲惨さを感じていました。
昼食は北谷町のアメリカンビレッジで、グループごとに大学生とボリュームのあるハンバーガーをいただきました。その後、「道の駅かでな」に行くと、嘉手納基地のすぐそばの展望台から基地を見渡すことが出来ました。ちょうど見学中に滑走路から戦闘機が飛び立ち、その大きな音に驚いた様子でした。生徒たちは騒音問題があることは知っていましたが、これほど大きな音が何度も聞こえていることの重大さを肌で感じ、その後のディスカッションでも騒音問題をテーマに挙げ、解決策を考えていました。
「海の環境コース」は、「プロジェクトマナティ」というビーチクリーン活動を行いました。ゴミ拾いを行うのだろうと思っていましたが、本日の活動で拾ったのは軽石でした。1年ほど前の海底火山噴火によって大量に発生した軽石の問題は、ニュースではよく耳にしていましたが、実際にビーチに流れ着いた量を見て、生徒たちは大変驚いていました。30分ほどの活動で、土嚢袋15袋分がいっぱいになり、その何倍もの量がまだビーチには残っていました。その後、高台に登り美しい海を一望し、改めてこの美しさを守らなければいけないと感じました。
昼食は読谷村にある有名な「花織(はなうい)そば」というお店で、本格的なソーキそばをいただきました。 最後は、「メロディービーチ」と呼ばれる希少な天然ビーチの見学でした。埋め立てで作られた砂浜の広がる人工ビーチと違い、波打ち際は藻の生えた岩場に覆われていました。岩の隙間にたくさんの小さな生き物を見つけ、生徒たちからは自然と「綺麗だね!」、「かわいいね!」という声が漏れていました。美しいビーチにも所々に流れ着いたゴミが見られ、自主的にそのゴミを拾う生徒もいました。離れて見ると美しいばかりの沖縄の海ですが、実際に訪れてみると様々な課題も抱えていることに気づけたようです。
(充実の3日目の記事は、②に続きます!)