2月14日(金)に高校1年生全員が広島平和公園を訪れ,被爆体験を聞き,広島平和記念資料館を見学する平和学習を行いました。
被爆体験は,小学5年生のときに爆心地から2Km離れた自宅で被爆された瀬越睦彦さんからうかがいました。爆弾が炸裂しピカッと光った瞬間,食卓で茶碗を差し出してくれたお母さんの顔が鬼のような形相に変わったこと,家の床が抜けてそこに落ちた瀬越さんは無意識に「ちくしょう,ちくしょう」とおっしゃっていたこと,市内から草津の親戚宅へ逃げる間に見聞きされた悲惨な状況(川土手から川へ転げ落ちて亡くなっていく人々,瀬越さんが「おじさん,どこから来たん?」と尋ねたら「鷹野橋・・・」と言ってそのまま亡くなった方の話,孫の手を引いて逃げようとするも力尽きて動けなくなっているお年寄りの姿など),体験した方でなければ語れない一つひとつのお話に,生徒たちは静かに耳を傾けていました。「自分の命を大切に。それが出来る人は,他人の命も大切に出来るはず。」瀬越さんのお話は,この言葉で締めくくられました。貴重なお話をしていただいた瀬越様に,この場をお借りして改めてお礼申し上げます。
その後は,平和記念資料館を見学しました。被爆の実相を語る遺品や写真パネルに「自然に涙が出てしまいました」と言う生徒もいました。また,じっくり資料を見て回ったため,帰りの集合時間に間に合わなくなりそうになった生徒もおり,平和について熱心に考えようとする姿勢に,私たち教職員も嬉しく思いました。
この日,平和公園と資料館には,多くの子どもたちや若者が国の内外から訪れていました。慰霊碑の前で手を合わせていく人も後を絶ちませんでした。武田生一人ひとりが,世界の人とともに,まずは身近なところから平和を築いていけるような人になって欲しいと願っています。