10月13日(木) グローバルスタディーズ(GS)コース3年生は、福山ホロコースト記念館と福山市人権平和資料館へ平和学の研修を行いました。ドイツからの留学生フィンリー君もこのフィールドトリップに参加しました。平和学の授業で予習してきた生徒たちは、それぞれの施設で発表者一人一人の話に熱心にメモを取りながら耳を傾けていました。
第2次世界大戦中にヨーロッパで起こったナチによるユダヤ人の虐殺や日本での人権侵害問題と福山市人権尊重のまちづくり条例による取り組み、1945年8月8日夜のアメリカ軍による福山空襲の被害など、聞いたことはあるけど実態を知らなかったことやこれまで全く知らなかった史実を目の当たりにして、言葉を失う生徒や感極まって涙する生徒もいました。福山市人権平和資料館で館長さんからお話ししていただいた「戦争は最大の人権侵害である。」という言葉が生徒一人一人の胸に深く刻み込まれたはずです。GSコースの生徒たちは、人権を守り、平和構築に貢献できる人間になってくれることでしょう。
ホロコースト記念館では、アンネのバラを1鉢頂きました。学校で大切に育てて、バラの花が咲くことを楽しみにしています。この日は天候にも恵まれ、途中、晴れ渡った青空の下、福山城でお弁当を食べることもできました。この研修は武田GSコース平和教育のカリキュラムの中でも重要な取り組みで、GSコースの生徒にとっても、素晴らしい学習の機会となっています。また近いうちに福山を訪れることを楽しみにしています。
アンネ・フランクリンの像の前にて
以下は生徒たちの感想の一部です。
「とても難しく感情的なテーマであるにもかかわらず、とてもわかりやすく、現実的な方法で扱われていたのでとても良かったです。この研修は、人権・平和のテーマが個人の背景や国籍に関係なくすべての人間にとっていかに重要であるかを気づかせてくれました。」
「次の世代の子供たちや周りの人にホロコーストと人権問題について共有していきたい。それは、このような残虐な出来事を二度と繰り返さないようにするためであり、これから私たちはどのような姿勢で平和に取り組んでいくことでもあると思う。 このフィールドトリップで学んだことは忘れずにホロコーストについてもっと勉強したり、アンネの日記を読んで、またアウシュヴィッツ、実際に現地まで行って学びたいです。」
「今日学んだことを知識として自分の中に取り込んで、このことを知っておくだけでなく、これからの人生で平和を作るための道を作れるように行動に移したい。戦争は最大の人権被害という言葉は私たちがしっかりと受け止めないといけない言葉である。現代でも、戦争は起こっている。日本では戦争が起こっておらず実感できていないが、戦争は絶対悪であるからこれから私たちは平和を作る活動をする必要があると感じた。」
「今回のホロコースト記念館を見学して、人間はなにか苦しいことがあったときにその原因を明確にし(それが事実でなくても)、可視化する事で自分が今こんなに苦しいのはこいつのせいだ!と責任転換、責めることで自分を辛うじて保とうとする逃避の傾向が顕著に表れる生き物であると強く実感した。そしてヒトラーはそんな人間の心理を利用して数えきれない程のユダヤ人の方々を虐殺するホロコーストを起こした。しかし、そのナチスの脅しとも言えるような政策に大多数の人々が従わざるを得ない状況でも日本人でいう、杉原千畝のように自分の命を顧みずに多くの人々を救い出した人達は正に「正義の人」だと思った。私もこの人々のように間違った同調圧力に屈せず自分の内なる正義に従って行動出来る人でありたい。人権平和資料館の展示や館長さんも言っていたように、若者で同和問題を知らない人が近年急速に増加している現状を知って驚いた。日本で実際に行われていた差別を知ることはとても大事だし、そこから現在の社会について考えることが大切だと思うので私も周りの友達や家族に積極的に広めていきたいと感じた。」